投稿日:2023.11.17 / 更新日:2024.5.14

チャットボットの目的・機能とは?活用場面やメリットも紹介

AIが自動的に回答を導き出してくれる「チャットボット」は、カスタマーサポートの有人対応に変わって窓口対応を行うシステムです。

さまざまなデザインや機能をもつチャットボットが登場しており、スピーディに導入できる製品やシステムもありますが、どのように活用すべきなのでしょうか。

この記事では、チャットボットの目的や機能、活用場面などについて紹介していきます。導入のメリットとデメリット、種類についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

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チャットボットとは?

チャットボットとはチャット形式でボットと呼ばれるプログラムと会話をするシステムです。ユーザーからの問い合わせ(FAQ)に対して答えを返す仕組みとして登場し、FAQの内容を変更・削除してアップデートを加えていきます。

チャットボットの機能は大きく分けて以下の4つです。

【チャットボットの4つの機能】

  1. ボットによる自動応答
  2. AIによる回答学習
  3. 有人チャットとの連携
  4. 外部システムとの連携

ユーザーからの問い合わせに対し、ボットが自動で応答をします。AIが搭載されたチャットボットは入力パターンや回答内容を学習し、より精度を高めていくことができます。

有人チャットとの連携も製品によっては可能です。無人チャットでは、スタッフがいない時間帯にチャットボットが窓口を担当しますが、スタッフがいる状態でチャットボットが先に応対し、ボットだけで回答が難しいケースのみ有人対応に切り替える機能です。

ビジネスチャット・グループウェアといった外部システムとの連携も可能です。チャットボットを社内での問い合わせに使用する場合は、社内システムとの外部連携機能を利用することで効率化に役立てられます。

チャットボットの活用場面

チャットボットが活躍するシーンとしては、以下の4つの例が挙げられます。

【チャットボットの活用シーン】

  • カスタマーサポート
  • バックオフィス
  • クレーム対応
  • マーケティング

ユーザーの疑問や質問に答えるカスタマーサポート業務では、的確な答えを見つけるためのサポートとしてチャットボットが役立ちます。ホームページの中身が膨大で、回答に辿りつきにくいようなケースにも対応可能です。

バックオフィス業務は社内での問い合わせに回答する業務で、総務部や法務部、情報システム部門などがそれぞれで対応しています。しかし、各部門ではバックオフィス以外にもさまざまな業務を請け負っているため、FAQに対応していると他の業務を圧迫する場合があります。チャットボットはそうしたバックオフィスを代行し、業務の負担を軽減します。

クレーム対応は、ユーザーから寄せられる苦情や不満、改善点の提案などを受け付けるものです。有人で対応することもできますが、スタッフへの負担が大きくなる場合はチャットボットで一次対応を行い、回答が必要なものは個別にチャットやメールで対応するなどの工夫ができます。

チャットボットは自動配信や、SNS・ホームページに来訪したユーザーに応対させる方法などで、マーケティングにも効果を発揮します。前者の自動配信はキャンペーンや新商品の告知を自動で配信するもので、後者はユーザーとのやり取りの中でユーザーに回答を選択させ、資料請求や商品の購入ページへ遷移する方法です。

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チャットボットを導入するメリット

チャットボットを導入することで、大きく5つのメリットが期待できます。現場の負担軽減や顧客接点の増加など、期待できるメリットを詳しくチェックしていきましょう。

メリット➀現場の負担軽減

チャットボットのメリットとして、現場での負担軽減が挙げられます。問い合わせを受けた担当者は内容をチェックし、適切な回答を調べて応対します。ユーザーとの直接的なコミュニケーションが必要になるため、問い合わせの件数が増えるほど担当者側の負担が大きくなります。

また、クレームへの対応も担当者にとって負担になる場合があります。一次対応の現場では激しい言葉をかけられるケースも多く、担当者の精神的な負担になるケースが少なくありません。そこで、チャットボットが一次対応を肩代わりすることで、担当者の精神的な負担を軽減するメリットが期待できるのです。

メリット②対応可能件数の増加

チャットボットが窓口対応を行うことで、問い合わせやクレーム対応の件数を増やせるようになります。有人チャットの場合、複数人の担当者で精一杯対応したとしても、テキストの打ち込みや文言を考えるといった作業で時間をとられてしまいます。

チャットボットは自動的に文言を返せるように作られているシステムのため、対応できる件数が有人よりも多く、業務の効率化や集客にも効果を発揮する場合があります。

メリット③顧客接点の増加

チャットボットはユーザーへの対応を無人で行うコミュニケーションツールです。使いやすいUIや回答精度を高める工夫によって顧客の離脱を防ぎます。

有人対応よりも多くの件数をこなせるため、顧客接点が増加する効果もあります。有人で24時間365日の対応を行う場合膨大なコストがかかりますが、チャットボットの利用では低コストで常時対応が可能です。

好印象を与えられれば、リピーターとなってホームページに訪れたり、チャットボットや他のサービスを利用したりといった、積極的な活動が期待できるでしょう。

メリット④CVRの向上

CVR(Conversion Rate:顧客獲得率・顧客転換率)とは、Webサイトにやってきたユーザーの中で購入や問い合わせを行った割合です。

常時安定的に稼働するチャットボットを導入すれば、有人対応よりもスピーディな課題解決に繋げられ、CVRが増える可能性があります。
チャットの中で資料請求や会員登録を自然に行えるなど、広告の掲載や有人対応では難しかったCVRの獲得に繋げられるケースも期待できるでしょう。

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メリット⑤アップセル・クロスセルの実現

アップセル(up sell)は上位の商品・サービスの提供を意味する言葉で、顧客1人あたりの売上単価を向上させるための取り組み、方法を指します。リピーターやヘビーユーザーに対しては、チャットボットからアップセルを行うことでより上位の購買やサービスの利用を促せる可能性があります。

クロスセル(cross sell)は、顧客が購入や利用を検討している商品・サービスに関連したものを提案して、再度検討してもらう販売方法です。こちらはヘビーユーザーやリピーター以外の、一般のユーザーに対しても適用可能な手法です。

一例として、新しい書籍を購入しようとしているユーザーに対して、チャットボットが類似のジャンルや評価を受けた書籍を提案するというものです。

チャットボットを導入するデメリット

チャットボットを導入する際、メリットだけではなくデメリットについても確認しておく必要があります。導入前に意識しておきたい2つのデメリットをチェックしていきましょう。

導入と運用に工数がかかる

チャットボットは選定・導入から運用・メンテナンスまで、完全に自動化されているものではないため、専任のスタッフが付かなければなりません。有人チャットにする場合は、基本的な問い合わせ対応から有人チャットに繋げるための連携をとる作業も必要になります。

チャットボットにはさまざまな種類があり、費用や初期費用の有無なども異なります。導入時点で自社の課題に見合ういくつかの製品を比較し、そこから必要なものをピックアップして選び出す作業と、運用中のトラブル対応やFAQの更新といったメンテナンスに工数が必要です。

運用のノウハウが必要になる

チャットボットの運用は、有人対応を行うか否かが大きなポイントです。完全に自動化する場合でもFAQを設定して放置しているとユーザー離れを起こすリスクがあるため、いつどのように誰が対応するかといった運用のノウハウが必要です。

自社でデータ分析やログ解析、カスタマイズなどが可能なチャットボットの場合は、正しくデータを読み込んで反映しなければなりません。分析やカスタマイズに詳しくない人がこれらの作業をこなすには負担が大きいため、一定の運用ノウハウを構築したあとはマニュアル化し、社内で共有を行いましょう。

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チャットボットの種類

チャットボットには、「AI型」と「シナリオ型」という2つの種類があります。どちらもユーザーの満足度向上に貢献するシステムですが、どのような違いがあるのでしょうか。2つのシステムの違いをみていきましょう。

AI型

AI型とは、人工知能(AI)を搭載したチャットボットです。AIが導入されていると自動的な学習が可能になるため、逐一更新をかけなくても似たような問い合わせを自動的に判別し、答えに繋げていきます。

たとえば、「トライアル」という単語に反応するように設定されたチャットボットが、学習を繰り返すことで「お試し」「フリー」「無料で利用」といったさまざまな言葉を同じ意味として捉えられるようになります。

シナリオ型

シナリオ型はAIを搭載していないチャットボットです。ユーザーに選択肢を与えながら回答に辿りつくシステムであり、質問と回答をしっかりと作り込む必要があります。

問い合わせの種類が少ない場合は手動でFAQの設定ができるので、シナリオ型に向いています。AI搭載型よりも導入しやすく初期費用が安いといったメリットもあり、お試しや期間を限定した導入にも適しています。コストや実際の運用について知りたいという場合はいきなりAI型を選ばず、シナリオ型を運用してから切り替える方法もおすすめです。

 

チャットボットを選ぶ際に確認しておきたいポイント

チャットボットを選定する際、まずは自社の課題をしっかりと洗い出しておく必要があります。課題を明確化することで、問題点を補えるシステムが選び出しやすくなります。

次に、導入手順やAIの搭載を確認するといったいくつかのポイントをチェックしていきましょう。以下に5つのプロセスを紹介していきます。

ポイント➀導入手順

導入の目的を確認し、自社の課題に適したチャットボットを複数選び出します。次に、トライアルやフリープランの有無と、それぞれのチャットボットの導入に必要なツール・段取りを確認しましょう。

トライアルやフリープランが利用できる場合は、費用がかからない方法で運用を行ってみます。使い勝手をスタッフ全員で確認しながら、複数のチャットボットから自社に適した製品を選びます。

作成ツールもこの段階で選んでおきます。無料で配布されているツールを利用する場合、権利の関係やセキュリティに注意してください。

ポイント②AI搭載の有無

次に、AIが搭載されているかどうかを確認します。AI非搭載のチャットボットは従来の古い質問形式になるため、FAQの設定はすべて手作業になります。

チャットボットがAIを駆使してどのような問題を解決できるのかは、ポイント①の導入前に確認しておく必要があります。提供元がAIのメリット・デメリットを説明してくれますので、AIの有無で迷ったときはポイント①で複数の提供元に相談しておくと良いでしょう。

ポイント③導入と運用のコスト

導入には工数のほかに費用もかかります。初期費用が発生する場合は、月額料金とは別に費用を支払わなくてはなりません。

コストがかかりすぎるものは費用対効果にも関わってきますので、無料のトライアルやフリープランを利用して、どれだけの成果が出るかをシミュレートしてみてください。

ポイント④他ツールとの連携

API連携のように、他のツール・サービスと連携できるチャットボットは、単なる受け答えだけではなく他サービスの内容の参照や引用、ページの遷移といった方法が可能になり、ユーザー一人ひとりの満足度にも貢献します

ポイント⑤サポート体制

「運用の方法がわからない」「費用対効果が出ないので改善したい」といったさまざまなお悩みに対して、提供元がしっかりとサポートをしてくれるかを確認しましょう。

チャットボット導入時の注意点

チャットボットを導入する際には、以下の点に注意が必要です。

【チャットボットの注意点】

  • 製品の機能
  • 費用対効果
  • 運用体制

AI搭載の有無も含めて、チャットボットの導入によって自社の課題が解決できるのかをしっかりと検討するようにしましょう。そのうえで、コストに見合う費用対効果が出てくるかをチェックしてください。

AIを搭載しているチャットボットでも、はじめから完璧にこなせるわけではありません。運用開始後は適宜更新やメンテナンスを加え、有人対応との連携なども重要になるため、社内の運用体制をよく考えながら構築していきましょう。

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チャットボット導入の成功事例

ここからは、チャットボットを導入して課題の解決に繋がった成功事例をみていきましょう。

➀問い合わせ業務を自動化できたケース

ECサイトを運用するA社では、顧客から寄せられる問い合わせのほとんどが似たような内容であり、質問への対応が課題となっていました。そこでチャットボットを導入したところ、問い合わせ業務が自動化され、スムーズな対応が実現。

AI非搭載型のチャットボットにも関わらずスピーディに問題を解決し、問い合わせ業務が自動化されました。

②社員の成長に寄与したケース

化学メーカーB社では、社内のヘルプデスクであるバックオフィス業務に問い合わせが集中しており、他の業務が後回しになってしまう問題がありました。チャットボットを導入してFAQを登録したところ、バックオフィスに偏っていた問い合わせが大幅に削減され、担当者自身もチャットボットで疑問を解決できるようになりました。

問い合わせ業務の自動化によって社員自身が自己解決できるようになり、社員一人ひとりの成長に寄与できたという好事例です。

③顧客満足度の向上につながったケース

メーカーC社では、顧客からの要望や問い合わせに早期からチャットボットを導入。AI搭載型のチャットボットを導入していたため、専門的な用語を学習したうえで徐々に学習効果が高まり、難易度の高い問い合わせ対応もこなせるようになりました。

C社の営業担当者は留守にするケースが多いため、専門用語を扱える社員の代わりとしてAIチャットボットが活躍。スピーディな回答が得られるようになり、顧客の満足度にも繋がりました。

おすすめのチャットボット14選

次に、おすすめのチャットボットを紹介します。「カスタマーサポート向け」「社内ヘルプデスク向け」「マーケティング向け」の製品をそれぞれ確認していきましょう。

カスタマーサポート向け

製品名 特長 費用
sAI Chat AI搭載型チャットボット

運用サポート付き

記載なし

(3つのプランを提供)

Chat Plus AI搭載型チャットボット

有人チャット機能あり

月額1,500円(税抜)〜

(6つのプランを提供)

KARAKURI AI搭載型チャットボット

有人チャット機能あり

記載なし

 

COTOHA Chat & FAQ AI搭載型チャットボット

独自のセマンティック検索を搭載

月額55,000円(税込)〜

(3つのプランを提供)

AI Messenger Chatbot AI搭載型チャットボット

運用サポート付き・有人チャット機能あり

月額150,000円(税不明)〜

(オプションプランも提供)

カスタマーサポート業務では、特定のキーワード以外の言葉も分析できるAI搭載型のタイプがおすすめです。運用サポートや有人チャットとの連携ができる機能も便利に活用できるでしょう。

社内ヘルプデスク向け

製品名 特長 費用
PEP AI搭載型チャットボット

外部サービスとの接続が可能

記載なし

(オプションプランも提供)

SupportChatbot AI搭載型チャットボット

外部サービスとの接続が可能・ファイル管理/全文検索機能を搭載

記載なし
Chat Dealer AI AI搭載型チャットボット

外部サービスとの接続が可能

記載なし
RICOH Chatbot Service AI搭載型チャットボット

外部サービスとの接続が可能

月額18,000円(税別)〜

(オプションプランも提供)

PKSHA Chatbot AI搭載型チャットボット

外部サービスとの接続が可能

記載なし

社内ヘルプデスク向けには、スケジュールや社内チャットのような外部サービスとの連携が行えるタイプがおすすめです。オプションプランを組み合わせて、自社のヘルプデスクに適した仕様にカスタマイズすることもできます。

マーケティング向け

製品名 特長 費用
hachidori チャットボット開発プラットフォーム

外部サービスとの接続が可能

記載なし
sinclo チャットボット型Web接客ツール

ドキュメント共有・ブラウザ同期が可能

月額9,440円(税不明)〜
KUZEN ノーコード型チャットボット導入サービス

外部サービスとの接続が可能

記載なし
BOTCHAN AI搭載型チャットボット

外部サービスとの接続が可能

月額10,000円(税不明)~

マーケティング向けには、接客機能を搭載したものや顧客とのブラウザ同期が可能なものが揃っています。
顧客の求めにすばやく対応できるように、外部サービスとの連携機能を搭載したタイプもおすすめです。

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ユーザーの目線でも使いやすさを考える

今回は、チャットボットの目的や機能、メリットや選びかたについて紹介しました。

AIの有無については問い合わせの対応が一貫性のあるものなのか、または類似の用語が多く判別が必要なのかといった点も含めて考慮する必要があり、ユーザー目線でいえば広告の挿入や文字の見づらさがない、使いやすいデザインであることも重要なポイントになります。

コストだけを考慮するのではなく、運営側とユーザー側双方の目線で考えながら、複数の製品を比較していくことをおすすめします。

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