マーケティング基礎
マーケティング基礎
チャットボットとは?種類・特徴・導入のメリットを解説
AIの急速な発達も後押しし、近年急速に注目を集めているチャットボット。
顧客や社員から寄せられる問い合わせ対応や、これまで営業やテレアポで行っていた新規顧客獲得をチャットボットに任せ、業務効率化および人的コストの削減を図る企業が増えてきています。
貴社が新規にチャットボットを導入したいと考えたとき、検討段階でまず着目すべき点は、チャットボットにはどのような種類があり、それぞれどのような特徴があるのかを把握することです。これらを正確に把握することで、導入効果をアップさせることが可能となります。
▼サービスをお探しの方はこちらをクリック▼
目次
チャットボットとは?
チャットボットとは、会話(チャット)とロボット(ボット)を組み合わせた、自動会話プログラムを指す言葉です。
プログラミングされたロボットにより、音声や文字情報を通じて人と受け答えを行うことが可能です。
主なメリットとしては、24時間いつでも社内外からの問い合わせに自動で対応できることや、データを蓄積してパターンを検出するデータマイニングが可能になること、業務の効率化などがあります。
現在では、多くのSNSやコミュニケーションツールでチャットボットを応用したサービスが提供され、より人間に近い自然な会話が実現可能になっています。
▼CVRが2倍向上するチャットボット!▼
チャットボットの歴史
チャットボットは1960年代にアメリカ・マサチューセッツ工科大学で誕生した「ELIZA」が基になっているといわれています。
ELIZAは文章を入力すると、その中に含まれるキーワードに対してパターン的に回答を返すという特徴をもっていました。
ELIZAの登場から17年後の1997年、Microsoft社は自社製品であるOfficeに対話型のヘルプデスク機能「Office アシスタント」を搭載。
入力されたテキストに対して返答を行うアシスタントキャラクターにも注目が集まりました。
人工知能・AIの開発はチャットボットの登場よりも前の1950年代には始まっていましたが、何度かの冬の時代を経て、1993年頃からブームが到来。
2020年頃から始まったデジタルシフト・機械学習の一般化に先駆けて、2006年にはアメリカ・IBM社の「Watson」2011年にはApple社が「Siri」を発表し、Microsoft社はAI技術を搭載したチャットボットを2015年に発表しました。
アメリカIT大手のGAFAと呼ばれる4社はいずれもAIに対応させたデバイスを発表しており、Amazon社は2017年にAI搭載型スピーカー「Alexa」を販売しています。
チャットボットの未来
チャットボットはAI搭載・非搭載に関わらず多くの企業や団体のホームページに活用されています。
問い合わせの簡略化や効率化に役立てられており、導入費用も以前と比較して安価になったため、今後はさらに導入が進み、チャットボットの活用シーンも増えていくと考えられます。
特に、新型コロナウイルス感染症が世界的に流行したことで「コロナ禍」と呼ばれる状況が数年間も続いたことから、店舗の窓口対応などが難しくなるケースを想定してホームページでも窓口業務を行えるように、オンライン対応を重視している企業が増えています。
オンライン上でも対面や電話でのやり取りと同等の対応を実現するために、従来型のシナリオではなくAIを搭載したチャットボットが注目されており、AIの精度向上によってさらに有人対応に近づいていき、ユーザーと企業の双方にとって利便性の高いサービスになっていくと考えられるでしょう。
チャットボットの種類
チャットボットとは、プログラミングされたロボットが音声や文字情報を通じて、人との受け答えを行うコミュニケーションツールのことです。
チャットボットの種類は、以下の2つの観点から分類できます。
- AI搭載の有無
- 仕組みによる違い
チャットボットの比較段階にある方は、まずはどんな種類があるのかを把握したうえで、具体的なサービスを検討することをおすすめします。
【AI搭載の有無別】チャットボットの種類
チャットボット=AIというイメージがあるかもしれませんが、そうではありません。
AIが搭載されていないチャットボットサービスも多数リリースされています・
AI搭載の有無によって、チャットボットは「ルールベース(シナリオ)型」と「機械学習型」に大別されます。
AIを搭載していないタイプのチャットボットは「ルールベース(シナリオ)型」と呼ばれ、人間があらかじめ設定したシナリオ通りに受け答えをします。
一方、「機械学習型」はAIを搭載し、データを基に自らが学習し成長していくタイプのチャットボットです。
どちらのタイプにもメリット・デメリットがあり、「AIを搭載している方が優れている」と一概にいえるわけではありません。
では、この2つのタイプの違いを詳しく見ていきましょう。
ルールベース(シナリオ)型
ルールベース(シナリオ)型のチャットボットとは、状況に応じて考えたりオリジナルの答えを導き出したりはできないものの、一定のルールに従って人間らしい会話をすることができます。AI(人工知能)を搭載していないため、「人工無脳のチャットボット」と呼ばれることもあります。
ルールベース(シナリオ)型の仕組み
ルールベース(シナリオ)型のチャットボットは、あらかじめ人間が登録したルールやキーワードマッチングに従って会話を行います。
ルールの一例を挙げると「ある一定の言葉を話しかけられたら、決まった返事を返す」といったもので、ルールから少しでも外れたものには対応できません。
「おはよう」と話しかけられたら「おはよう!」と答えることはできますが、同じ挨拶である「こんにちは」や「やあ!」は登録されていないため、会話が続かなくなってしまいます。
ルールベース(シナリオ)型のメリット
ルールベース(シナリオ)型のチャットボットには、問い合わせ対応の自動化・効率化の面でさまざまなメリットがあります。
●同じ内容の問い合わせ対応を自動化できる
家電の取り扱い説明や、旅行サイトの予約方法など、同じ内容の問い合わせが頻繁に訪れるケースでは、事前に問い合わせ内容を登録しておくことで回答を自動化できます。
●チャットボットとオペレーター(人間)の連携で効率化が図れる
FAQに載っているような単純な質問内容についてはチャットボットが回答し、内容が複雑になってきたら人間のオペレーターが対応にあたるなど、業務内容によって担当を振り分けることで業務効率化が図れます。
関連記事:チャットボットとFAQの違いとは?チャットボット導入のメリット・デメリット
●単純な事例への対応であれば、比較的構築が簡単
イレギュラーがあまり発生せず、シナリオに沿った受け答えで解決できる内容・用途であれば、比較的楽に構築できるため、チャットボットの導入に対するハードルが低くなります。
ルールベース(シナリオ)型のデメリット
一方、ルールベース(シナリオ)型のチャットボットにはデメリットもあります。
●少しでもシナリオやルールから外れたことには対応できない
「おはよう」だけをあいさつの言葉としてルール化している場合、「こんにちは」や「オッス」「やあ!」「元気?」などはあいさつとして認識できず、会話がストップしてしまいます。
●あらかじめシナリオやルールを設定するのが大変
チャットボットの対応をなるべく自然に、スムーズに行わせようとする場合、事前に膨大なシナリオを考えルールを設定しなければなりません。
そのための人的コストと手間が発生します。
●ルールを外れると機能しなくなってしまうため、顧客満足度が下がる
少しでも複雑な質問をすると機能しなくなるため、結局人間のオペレーターに問い合わせをしなければなりません。
顧客にとっては二度手間になり、顧客満足度をかえって下げてしまうリスクをはらみます。
ルールベース(シナリオ)型の用途
上記で紹介したメリットとデメリットから、ルールベース(シナリオ)型のチャットボットに適した用途を考えてみましょう。
●カスタマーサポート
特定の問い合わせに対し、回答が書かれている「よくある質問」のページを案内するなど、カスタマーサポート業務を代行させることができます。
●旅行サイトのFAQ
子ども料金や一部屋あたりの定員など、同じ質問が頻繁に来ることが想定される旅行商品について、問い合わせ業務を代行させることができます
●レコメンド機能
「商品Aを買った人には商品Bをすすめる」とルール化することで、関連商品の訴求を自動化でき、購買力のアップにつながります
●消極的な顧客とのファーストコンタクト
「わざわざ電話で問い合わせするほどでもないが、内容について聞いてみたい」という顧客に対し、問い合わせのハードルを下げることで気軽なファーストコンタクトのポイントをもつことができます
機械学習型
機械学習型のチャットボットとは、膨大なデータを基に入力されたワードを解析し、統計的に最も適切な回答をするようプログラミングされたロボットのことです。
AI(人工知能)を搭載し、回答を間違えてしまってもデータを再学習したりすることができ、徐々に回答精度を高めていける特徴があります。
機械学習型の仕組み
機械学習型のチャットボットは、過去に学んだことをAIが記憶し、新しい事象に出会ったときに過去のデータを解析して正しい回答を導き出すことができます。
たとえば「おはよう」という話しかけに「おはよう!」と答えた過去があれば、「おはようございます」と話しかけられた場合でも「おはよう/ございます」と解析することで、「おはよう」=「おはようございます」と判断することができます。
このように応用と反復学習を繰り返すことで、自ら学習して会話の精度を高めていけるのです。
機械学習型のメリット
機械学習型のチャットボットには、高度な問い合わせ対応やコスト削減などの面で、さまざまなメリットがあります。
●複雑な問い合わせにも対応することができ、人的コストを削減できる
ルールベース(シナリオ)型よりもさらに高度・広範囲の問い合わせに対応することができ、オペレーターなどにかかる人的コストを削減できます。
●24時間365日顧客対応ができ、機会損失しないで済む
高い問い合わせ対応スキルを持ったチャットボットが24時間365日顧客と接することで、真夜中や早朝の問い合わせにも回答ができるようになり、営業機会の損失を大幅に減らすことができます。
●自ら学習し精度を高めるため、ルール設定などの手間が省ける
運用しながら細かいルールやシナリオを追加していくルールベース型チャットボットに比べ、機械学習型は自ら学習し回答精度を高めていけるため、運用コストが省けます。
機械学習型のデメリット
一方で、機械学習型のチャットボットにもデメリットは存在します。
●「教師データ」の質により、回答精度や学習に差が出る
チャットボットの運用を開始する前に、「教師データ」と呼ばれるFAQデータ(質問に対する正しい回答をまとめたデータベース)を用意する必要があり、この「教師データ」の質が悪いと回答精度が下がるほか、学習能力も高まりづらくなります。
●定期的なチューニングが欠かせない
「機械学習型」のチャットボットは自ら学習してはくれるものの、まったくメンテンナンスが不要というわけではありません。顧客の要望をかなえられなかったやり取りは常に監視し、人の手でチューニングしていくことで会話の精度を高めていきます。チャットボットの導入効果を上げるためには、ある程度の人的リソースを割くことが必要です。
機械学習型の用途
上記で紹介したメリットとデメリットから、機械学習型のチャットボットに適した用途を考えてみましょう。
●ECサイトでの接客
アパレルのオンラインストア等でサイズや欲しいアイテムを入力すると、これまでの回答履歴からチャットボットがおすすめの商品を提案できます。ユーザーが求める商品にスムーズにたどり着くことで、購買力アップにつながります。
関連記事:ECサイトにチャットボットを導入する効果と活用事例
●飲食店の予約代行
ユーザーが希望の飲食店を選び予約日時を入力すると、チャットボットが飲食店へ電話・メール等で空きを確認。結果をチャットでお知らせしてくれます。人数変更などもすべてチャット上で解決でき、ユーザーの手間が省ける
●カスタマーサポート
ユーザーからの問い合わせ内容に応じ、サイト内で適切なFAQページに誘導します。顧客満足度アップにつながるほか、オペレーターなどにかかる人的コストも削減できます。
【仕組み別】チャットボットの種類
ここまでは、チャットボットへのAI搭載の有無による違いを解説してきましたが、チャットボットは、サービスの仕組みからも、以下の4種に分類することができます。
- ログ型
- 選択肢型
- 辞書型
- 選択肢型&辞書型
これらのチャットボットにはそれぞれどんな特徴があるのか、詳しく解説していきます。
ログ型
ログ型チャットボットとは、人間の会話を記録して学習し、入力された文脈を解釈して返答してくれる、いわゆる機械学習型AIチャットボットです。
たとえば「Aの発言の後にはBと返答するパターンが多い」ことをチャットボットが学習し、実際に「A」と言われた時は「B」と返せるようになります。会話を覚えれば覚えるほど精度が向上するので、より人間の会話に近い自然なやり取りができます。ただし、会話データの量が少ないとチャットボットの学習量も必然的に少なくなり、なかなか精度を高められません。多くの問い合わせが見込めるシーンでの活用に向いています。
選択肢型
選択肢型チャットボットとは、事前に用意されたシナリオに対し、ユーザーが選択式で回答をして会話をする種類のチャットボットです。質問分岐が正確にできていれば、手軽にチャットボットを作成することができることがメリットです。もともとはコンピューターゲームをベースに生まれた仕組みで、シナリオ通りにユーザーを誘導できます。
選択肢型チャットボットはCVRを高める目的で使われることも多く、中でもqualvaはCVR向上に特化したタイプのチャットボットです。qualvaは親しみやすいチャット型デザインと、一問一問丁寧に会話するコンシェルジュのようなサービス力を兼ね備えています。ユーザーを疲れさせず、入力時の物理的・精神的な負荷を下げることで、顧客満足度の改善、ユーザー誘引によるCVR向上に効果を発揮します。
さらに選択肢型チャットボットの中で決済機能をもったサービスは、唯一qualvaのみ。導入したその日から、CVR向上効果を期待できるチャットボットです。
▼CVRが2倍向上するチャットボット!▼
辞書型
辞書型チャットボットとは、事前に「キーワード」と「その返答」の組み合わせから成る複数の単語を登録しておくことで、そのキーワードが入力された時に適した応答をしてくれるチャットボットです。ユーザーが入力した文章に、該当するキーワードが一語でも含まれていれば会話が成り立つため、人間と直接会話をしているようなスムーズな対応ができることがメリットです。
ただし事前に大量のキーワードを登録しておかないと、充実した“辞書”とはならないため、キーワードがどれも該当せず、会話が成立しなくなってしまいます。登録にかかる人的コストの発生を余儀なくされます。
選択肢型&辞書型
選択肢型&辞書型チャットボットとは、上記の選択肢型と辞書型の機能を併せ持つタイプのチャットボットです。この仕組みを採用したチャットボットは、多くのサービスがリリースされています。カレンダーと連携できる日程調整向けのサービスや、正確な単語だけではなくいわゆる「話し言葉」などのあいまいなワードも認識できるサービスなど、それぞれの特徴から最適なチャットボットを選ぶことができます。
デメリットは、選択肢型・辞書型それぞれの弱点を内包していること。柔軟性に若干欠けることと、キーワードの事前登録の手間が必要なことは導入前に考慮すべきポイントです。
【目的別】チャットボットの種類
さらに、利用する目的・用途に合わせて特化したチャットボットも存在します。以下2つの用途に合わせたチャットボットについて説明します。
- 新規顧客獲得専用
- 解約阻止・抑止専用
新規顧客獲得専用
qualvaは唯一、新規顧客獲得のために作られた専用のチャットボットです。
例えば、コンバージョンボタンの直前でカゴ落ちしたエンドユーザーにSMSを送信して、ボタンをタップするだけで購入が完了する専用URLへと遷移。最後の一押しを促す機能が搭載されています。
他にも、ユーザーが入力中にブラウザを閉じてしまっても、戻ってきたときに前回入力した内容を即座に復元する機能や、ユーザーがデバイスで使用している言語を自動で表示し、海外ユーザーの入力をサポートする機能も。また、音声入力操作も搭載するなど、新規ユーザーの入力負担を軽減し、コンバージョン率を高める機能を備えていることが特徴です。
▼CVRが2倍向上するチャットボット!▼
解約阻止・抑止専用
解約阻止・抑止に特化したチャットボットは、サービスに対する顧客の本音や解約理由を収集したり、継続促進の提案を行う機能が搭載されている点が特徴です。
解約抑止専用のチャットボット「Resque(レスキュー)」は、サービス解約の大きな要因のひとつであるサービスに対する顧客の理解不足を補う機能を備えています。
例えば、顧客がサービスの解約を行おうとするとResqueが起動し、チャットを開始。解約を希望するにいたったサービスへの疑問点に、画像や映像なども活用してわかりやすく返答します。疑問を解決してもなお、解約の意思が固まっている顧客のみをコールセンターなどにつなぎます。さらに、チャットの途中で離脱した顧客を特定し、解約予備軍の傾向などを分析。さらなる継続率向上に活用できる機能も搭載しています。
チャットボットを導入するメリット・デメリット
ではここからは、チャットボットを企業が導入することによるメリットとデメリットについて、それぞれ見ていきましょう。
メリット
メリットとしては、主に以下の3つが挙げられます。
問い合わせのハードルが下がる
チャットボットは人間のオペレーターとは異なり、24時間不眠不休で稼働できます。昼夜を問わずいつでも問い合わせができることは、ユーザーにとって大きなメリットです。
また、ロボットが相手なので問い合わせに気を遣うことがなくなり、心理的なハードルが下がることも利点です。
返答までの待ち時間を短縮できる
電話での問い合わせでは、まずオペレーターにつながるまでに時間がかかり、さらに質問をしてから都度調べての回答となるため、さらに待たされることになります。
一方、チャットボットはあらかじめ質問に対する回答がデータベースに蓄積されており、回答が即時に導き出されるため、待ち時間はほぼなくなります。
オペレーター業務の効率化が可能
すべての事案を100%チャットボットのみで解決することは難しいですが、初期対応だけでもチャットボットに任せることができれば、オペレーターの作業負担は軽くなります。
そのためにも、チャットボットが自動で返信できる問い合わせと、オペレーターが対応する領域を分業しましょう。
対応クオリティを標準化できる
ユーザーへの対応レベルやクオリティを標準化できる点もチャットボットのメリットのひとつです。
有人対応の場合、内容によっては同じユーザーから複数回問い合わせが入る場合があります。「前回問い合わせをして出てくれた担当者は曖昧な答えで、納得ができなかったのでもう一度回答を得たい」というケースのように、ユーザーが納得できる回答を返せていないと、顧客満足度の低下を招きます。
知識や知見の有無は担当者ごとに異なり、すべての人がユーザーからの問いにすばやく返答できるとは限りません。しかし、チャットボットを導入すれば担当者による知識の偏りがなくなり、ユーザーへのスピーディな回答が実現します。
対応件数を拡大できる
チャットボットなら対面や対人のようなコミュニケーションが不要で、1件あたりの問い合わせにスピーディに回答できるため、有人よりも問い合わせ対応が効率的になります。
実際に、今まで問い合わせから回答までに時間がかかっていた企業がチャットボットを導入したところ、同じ回答を返す必要がなくなりチャットボットだけで大幅に対応能力を向上できたというケースがみられます。
有人対応に必要だった費用・コスト・工数がまとめて削減できることも、チャットボットの利点といえるでしょう。
顧客の隠れたニーズを引き出せる
チャットボットはシンプルな問い合わせ対応だけではなく、チャットボットを使用した顧客へのアンケート調査も行うことができます。
選択式または自由記述形式のアンケート調査では、顧客が何を求めているのか・何に不満があったか・チャットボットの対応で問題と感じた点などを記述します。それらの結果を基に隠れたニーズをまとめ、さらなるサービス向上に活かすことができるのです。
シナリオ型・AI型はどちらも更新やメンテナンスと呼ばれる作業が必要になりますが、隠れたニーズを引き出しておくことでより良いサービスの提供が可能になります。
属人化の防止に役立つ
属人化とは、特定の人が担当している業務や作業がその人のものになってしまい、本人以外では分からなくなる状態を指します。
チャットボットが生まれる前は有人での問い合わせ対応が主流で、問い合わせ担当者が決まっているような企業では属人化が起こり、業務の引き継ぎに時間がかかるケースなどが課題になっていました。
チャットボットは誰が使っても同じフローで回答を返します。回答の内容も入力されたシナリオや蓄積データに基づくため、「当事者以外ではわからない業務」を予防できます。
ナレッジを自社に蓄積できる
チャットボットの活用によって、問い合わせとその回答をナレッジ(knowledge:知見)として蓄積できるようになります。
例えば、「A」という問いに対してすぐに回答できない担当者がユーザーに応対したとき、回答を調べるための手間がかかります。回答内容を心得ているスタッフを探し出して質問するなど、有人対応ならではの手間と時間的なロスが発生するケースもあります。
チャットボットであれば、過去に問い合わせがあった内容とその回答を蓄積できるので、蓄積データからスピーディに回答を返します。担当者自身もチャットボットのデータベースにアクセスすれば質問や回答の内容を確認できるので、「この質問にはこう返せば良いのか」と学びが得られるでしょう。
デメリット
一方で、以下の2つのようなデメリットも存在します。
ルールベース型の場合は、初期のシナリオやルール設定が大変
AIを搭載していない「ルールベース(シナリオ)型」のチャットボットは、初期設計としてあらかじめ詳細なシナリオやルールを作成する必要があります。
チャットボットは事前に作成されたシナリオやルールに則ってしか稼働しないため、「Aと質問されたらBと返す」「A以外の質問には“分からない”と返す」など、膨大な量のシミュレーションが求められ、設計に手間がかかるのです。
チャットボットにどこまでのクオリティを求めたいのかを導入前にはっきりさせ、目的に合った機能を有するチャットボットを選択しましょう。
AI型の場合は、費用が高額になる場合も
一方、人工知能を備えた「AI型チャットボット」の場合、導入までにさまざまなコストがかかるというデメリットがあります。導入にかかる初期費用は、ルールベース型と比較して高額となる傾向にあります。
▼チャットボットのメリット・デメリットについて、詳しくはこちら。
チャットボットの課題
チャットボットの課題として、以下のポイントに注意が必要です。
【チャットボットの課題】
- 製品やサービスの数が多い
- 成果が出るまでに時間がかかる
- 運用に人件費や工数がかかる
- メンテナンス作業が難しい
- 有人対応が必要になることもある
すべてのチャットボットが高機能というわけではなく、反対に高機能でも使いこなせない、自社のホームページに見合わないといったケースが挙げられます。チャットボット製品・サービスの数も以前より増えており、それぞれの特長や機能を一つずつ比較するのに時間がかかることも課題といえます。
導入から成果が出るまでには、1ヶ月・半年・1年とまとまった期間が必要です。数日ですぐに成果が出るものではないため、持続的に運用をしていかなければなりません。
チャットボットの導入は、完全に無人で運用できるケースばかりではなく、有人対応も必要になる場合があります。トラブルシューティングや有人対応を行う運用者の設置が必要になり、人件費や工数がかかる点に注意が必要です。
ユーザーの満足度を維持するためには、システムのアップデートやシナリオの変更といったメンテナンス作業を定期的に実施しましょう。
ただし作業の難易度が高く、ITに詳しくない担当者しかいないような企業では、チャットボットの提供元から担当者を呼んでメンテナンス作業を実施しなくてはなりません。
ディープラーニングの活用
AI搭載型のチャットボットの多くは、ディープラーニング(Deep learning)と呼ばれる機械学習の技術を使用しています。ディープラーニングによってデータの中から特徴を探し出し、細やかな処理へと繋げています。
ディープラーニングをより精度の高いものとして活用するためには、機械学習のアルゴリズムを把握して適切にチューニングをしなければなりません。
チャットボットの費用相場はどのくらい?
チャットボットを導入する際、主な内訳として「初期費用」、「運用費用」「その他費用」の3つに分けられます。
初期費用は5万~10万円、運用費用は10万円~30万円が大体の相場です。
その他費用はシナリオの作成や機能追加などカスタマイズによって大きく異なります。
チャットボットの費用相場や内訳について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
チャットボットの導入事例
ここからは、実際にチャットボットを導入した企業の事例と成果を見ていきましょう。
事例1 CVRが3.4倍UP!株式会社T.Sコーポレーション
育毛アイテムのメーカーである「T.Sコーポレーション」は、チャットボットの「qualva(クオルバ)」を活用したことでCVRをアップさせました。
課題 | サイトのリニューアル時にカートシステムを変えたことでCVRが落ちた |
---|---|
対策 | 申し込みフォームの使いにくさを改善するため、チャットで決済までできる「qualva」を導入 |
効果 | 申し込み時の離脱率が減り、CVRが3.4倍アップ |
同社は、2018年8月にウェブサイトをリニューアル。従来の「ショッピングカート」のシステムを、よりビジネスモデルに合ったものに入れ替えました。しかし、実際に新しいシステムを稼働したところ、CVRの数字が著しく落ちてしまったのです。
その原因は、申し込みフォームの使いにくさにありました。そこで、対話形式の中でスムーズに情報を入力して、そのまま購入までの一連のプロセスを完了できるチャットボット「qualva」を導入。
2018年8月にシステムを一新してからは「1.1%」だったCVRは、「qualva」導入後の同年9月には「3.74%」までアップ。3.4倍ものCVR改善となりました。
▼この事例について、詳しくはこちら
qualvaで購入までのスムーズな導線を実現!「株式会社T.Sコーポレーション」の導入事例
事例2 見積もり件数が2〜3割UP!株式会社スタームービング
神奈川県を本拠地に引越し業を営む「株式会社スタームービング」は、お客様からの「お見積もり依頼」のプロセスにチャットボットの「qualva」を導入したことで、見積もり件数をアップさせました。
課題 | 見積もり依頼のフォームに入力せずに直接電話するお客様が多い |
---|---|
対策 | より入力しやすいようにチャットボット「qualva」を導入 |
効果 | 月あたりの見積もりの依頼件数が2〜3割アップ |
同社では、見積もりをとる際、お客様がウェブサイトからまず「入力フォーム」に必要事項を記入するステップがあります。
ところが、中には入力フォームを使用せず直接電話をかける方もおり、その場合はコールスタッフによるヒアリングから見積もり作成、契約までに時間がかかってしまうことが課題でした。
そこで、見積もり業務をより効率化させるためにチャットボット「qualva」を導入し、2019年8月に運用をスタート。その月から前月比で2割から3割程度の依頼件数アップとなりました。
▼この事例について、詳しくはこちら
qualvaで見積もり件数アップ! 「株式会社スタームービング」の導入事例
▼そのほかの事例はこちら
チャットボット「qualva」の導入事例一覧
まとめ
チャットボットは、「AI搭載の有無」と「サービスの仕組み」からさまざまなタイプに分類することができます。どのタイプにもメリット・デメリットがありますので、導入する目的に合わせ、都度最適なチャットボットを選択してください。優れたチャットボットサービスは、業務効率化やコストカット、そして貴社サイトのCVR向上に大きく貢献してくれるはずです。
コンバージョン率が上がるチャットボットqualva(クオルバ)
ぜひチェックしてください。