投稿日:2019.10.29 / 更新日:2024.2.5

チャットボットとFAQの違いとは?導入のメリットと活用シーン

WEBサイトの運営では、ユーザーからのさまざまな問い合わせにいかにスムーズに対応できるかが課題のひとつです。多くのサイトが採用しているのが、「よくある質問ページ=FAQ」ですが、それだけですべての質問をカバーするのは難しいもの。そこで、近年注目を集めているのがチャットボットの導入です。チャットボットとFAQの違いや、両者のメリット・デメリットを見ていきましょう。

▼サービスをお探しの方はこちらをクリック▼

FAQとチャットボットの違い

近年、オペレーターに代わる問い合わせ対応システムとして、急速に導入が進むチャットボット。チャットボットを大まかにいえば、チャット形式で自動応答をしてくれるシステムといえますが、FAQとはどう違うのか?両者を比較してみましょう。

CVRが2倍向上するチャットボット!

FAQとは

FAQとは
FAQとは、「Frequently Asked Questions」の略で、一般に「よくある質問」といわれるものです。ユーザーは、自分が知りたいQ&A(質問と回答)を閲覧することで、疑問や不安を解決できます。

FAQのメリット

サイト運営側からの視点では、問い合わせに対応するコールセンターなどへの受電件数を削減でき、オペレーターの確保やコストから解放される点がメリットです。さらに、人為的なミスの削減にもつながります。
ユーザー側からは、知りたいことと類似する質問をサイト内で見つけることで疑問を解消できたり、問い合わせの電話がなかなかつながらないといった苛立ちから解放されたりと、迅速に回答を得られる点がメリットになります。また、メールでの問い合わせと比較して、時間や手間を軽減できます。

FAQのデメリット

業界や商材にもよりますが、FAQが充実すればするほど、ユーザーは多くの項目の中から知りたい情報を探す必要に迫られ、負荷が高くなってしまう点がデメリットに挙げられます。キーワード検索などを導入しても、疑問に合致するFAQをなかなか見つけることができないと、ユーザー側のストレスにもなりかねません。
また、新製品や新サービスについては過去の質問事例が少ないため、当然ながらFAQの絶対数も乏しくなり、直接オペレーターへの問い合わせが集中してしまうリスクも考えられます。

チャットボットとは

チャットボットとは
チャットボットはチャット(chat)とボット(Robot)を組み合わせた言葉で、チャットを介したテキストや音声による問いかけに、ロボットが自動的に返答し会話を展開するシステムです。FAQの場合、ユーザーは「調べる」という行動を取りますが、チャットボットでは「聞く」「会話する」という行動になることが大きな違いです。今では、LINEやFacebookなどのSNSにも取り入れられているほか、企業や自治体などでも導入が進んでいます。
あらかじめプログラミングされたロジックに従って、データベースに蓄積された情報から回答を生成して返答する、という会話の仕組みが採用されています。

チャットボットのメリット

問い合わせ対応にチャットボットを導入する運営側のメリットには、FAQと同様に問い合わせ対応の時間や工数の削減があります。また、チャットボットにはAI(人工知能)が搭載された種類もあります。FAQではカバーしづらい新製品や新サービスについても、取扱説明書等をデータベースに加えておくことで、AIによる自動応答が可能となります。
質問する側にとっても、気軽な会話形式で素早く回答が得られることや、休日や深夜を問わず自分の都合の良い時にすぐに疑問を解決できることは大きなメリットとなるでしょう。

チャットボットのデメリット

便利なチャットボットではありますが、デメリットもあります。チャットボットによる自動応答のためには、大量のデータの準備が必要となります。導入を検討してもすぐさま、という訳にはいかない場合が大半です。さらに、データベースを基に回答するため、データに含まれない質問には対応できません。

チャットボットについて、より詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

関連記事:チャットボットとは?会話の仕組みとマーケティングツールとしての活用

FAQの導入方法

FAQを導入するにあたっては、掲載するコンテンツをどんな分類で作成するのか、内容やボリュームなどとともに設定するなかで、利用するユーザーを具体的に想定することが重要です。FAQ閲覧数ランキングや検索システムなど、さまざまな機能を組み合わせる必要が生じることもあり、同時に電話対応オペレーターを配置するかどうかもポイントとなります。

また、あくまで継続運用することが前提となるため、新しいコンテンツの登録や更新をどのように行っていくのか、ワークフローも決定しなければいけません。導入後の運用を踏まえた要件定義を綿密に行ったうえで、内容を精査・決定することが大切です。

チャットボットの導入方法

チャットボットと一口にいっても、AI搭載型/非搭載型など、さまざまな種類が存在します。そのため、まずはチャットボットを導入する目的を明確にしなければいけません。自社がチャットボットに担わせたい業務領域とは何か?その目的に沿った機能を有するチャットボットを選択しましょう。

また、チャットボットはユーザーからの質問、問い合わせをあらかじめ想定し、シナリオ(会話の台本)を設計する必要があります。チャットボットとの会話がかみ合わないとユーザーはストレスを感じ、離脱の可能性も高くなってしまいますので、実際の効果を検証し、細かな調整を繰り返すフローが生じます。

関連記事:チャットボット導入にかかる費用の内訳・相場と費用による違い

FAQ・チャットボットを活用できるシーンや条件

チャットボットを活用できる状況としては、以下のようなケースが挙げられます。

【チャットボットの活用シーン】

  1. 問い合わせの効率化
  2. クレームの一次対応
  3. バックオフィス業務
  4. ユーザー離れの予防
  5. 問い合わせ窓口の混雑解消

チャットボットは社内外を問わず活用できるシステムです。1・2・5の項目はいずれも活用場所を問わず得られるメリットです。社内に対しては3のバックオフィス業務が、社外の顧客やユーザーに対しては、4のようにユーザー離れの予防が期待できるでしょう。

具体的には「クレームが多く担当者に負担がかかっているので一次対応を任せたい」「ユーザーの離脱率を減らしてサイト内に留まってもらいたい」というようなケースでチャットボットの活用が期待できます。

多くの企業では商品やサービスを提供するなかで問い合わせ業務も並行して行っていますが、チャットボットを導入すれば簡単な問い合わせはすべてチャットボット側で対応できるため、問い合わせに特化した担当者を配置せず、他の業務とも並行できるようになります。

ユーザーや顧客にとっても、答えが明確な疑問にはすばやく答えてほしいと思うもので、回答のために時間をかけられるとストレスが溜まってしまいます。そこでチャットボットがスピーディに受け答えをすることでストレスフリーに疑問を解消し、企業への信頼性向上や離脱率の低減にも繋がっていくでしょう。

FAQ・チャットボットの活用が向かないケース

チャットボットが活用しづらいケースとしては、以下のような例が考えられます。

【チャットボットが向かないケース】

  • 問い合わせが少ない企業
  • 有人回答が必要な問い合わせ
  • 問い合わせの項目数が少ない場合

問い合わせの件数が少ない場合は、有人でも対応することができるため、チャットボットを導入しなくても良い可能性があります。

回答がシンプルなものではなく、顧客ごとに細かく回答しなければならないようなケースについても、チャットボットだけでは対応しきれないかもしれません。

問い合わせの項目が少ない企業やホームページでは、チャットボットを導入しなくてもユーザーがすぐに目的の回答に辿りつけるため、項目数が増えた段階で導入を検討すると良いでしょう。

チャットボットを活用すべきかどうかは、問い合わせ業務の状況から判断することが大切です。一例として、社外への対応は問題なく行えているが、バックオフィス(社内ヘルプデスク)が煩雑になりがちな場合は、社外向けではなく社内向けのチャットボットを検討したいところです。

チャットボットにはAIを搭載したタイプも選べますが、シンプルな問い合わせ業務であれば従来のシナリオ型でも十分対応できるでしょう。

チャットボットによるCVRの向上

チャットボットには、単に知りたいことに回答するという機能だけではなく、会話に近いコミュニケーションを取れるという利点があります。高いレベルで受け答えできるチャットボットを導入すれば、ユーザーの「知りたい」を解決するとともに、質問と関連性の深い自社サービスを紹介するなど、ユーザーに無用なストレスを与えることなくコンバージョンへの誘導も可能です。

「qualva」は、コンバージョン率の向上に特化した機能を持つチャットボットです。ユーザー側の入力を自然にアシストし、購買・資料請求などのコンバージョンまでユーザーの気分を損ねることなく促すことで、離脱率の低下やコンバージョン率の向上に寄与します。

CVRが2倍向上するチャットボット!

チャットボットの導入事例3選

ここからは、チャットボットを導入して成功した3つの事例を紹介します。問い合わせの業務効率が上がった企業、社内での知識量の向上に役立てられたケースなど、それぞれの事例をみていきましょう。

事例➀:問い合わせの業務効率が1.5倍にアップ

大手のオンライン学習サイトを運営するA社では、ユーザー数が増えたため問い合わせの件数も増加し、社内の人員不足も相まって、対応が課題になっていました。

そこで業務効率化のためにチャットボットを導入したところ、問い合わせの一部がチャットボットで賄えるようになり、問い合わせ数と比例してオンラインレッスンを受講するユーザーの数が増加しました。

運用後も細かくチャットボットのメンテナンスを行った結果、運用効率も上昇。問い合わせ業務が1.5倍に効率化でき、年間で180万円のコストカットにも成功しました。

事例②:自己解決を促進し業務の負担が軽減した

ファッション誌に掲載されるレディースアパレルブランドを自社サイトで取り扱うB社では、顧客への対応を効率化するためにチャットボットを導入しました。これにより顧客が抱える疑問をスピーディに解決できるようになり、担当者のリソースを問い合わせ対応だけに割くことがなくなりました。

B社ではECサイトを運営していますが、チャットボットの導入によって問い合わせ数を約26%削減することに成功しています。また、担当者のリソースを別の業務に割けるようになったため、ホームページの導線を改善するといった目標も達成できました。

事例③:チャットボットで自社製品の知識を向上

家具製品などの製作を手掛けるC社では、営業社員の製品に対する知識の向上と事故解決力アップのために、自社製品に関する情報をチャットボットに集め、社内向けに提供を行いました。

自社製品に関する情報を一ヶ所に集約したことで、社員がスムーズに製品の詳細にアクセスできるようになり、営業担当者は製品に関する知識を自身で深めていけるようになりました。新入社員の知識習得ツールとしても活用されており、問い合わせ対応にとどまらない使い方で、社内における知識の共有が実現しています。

今後チャットボットはどのような進化を遂げるのか

チャットボットは日々進化を続けており、料金・機能・システム連携など、従来の製品やシステムにはなかったさまざまなメリットが期待できるようになりました。

今後、期待されている機能としては「多言語対応」が挙げられます。国外在住、または日本国内からアクセスしてきた海外のユーザーからの問い合わせに対して、言語を翻訳し意味を理解したうえで、最適な返答を返すというものです。

日本語以外の言語にも幅広く対応できるようになれば、世界中のユーザーの顧客満足度をさらに高められるでしょう。

他の機能としては「データ分析」も挙げられます。すばやく、確実な分析によってスピーディに期待される回答を返せるようになれば、システムの使いづらさがなくストレスフリーに問い合わせができます。

AIの精度がさらに向上し、企業などの利用者ごとに特化したカスタマイズが加えられることも、チャットボットに期待される進化です。

専門のスタッフによるメンテナンスやチューニングは難易度が高く、専門的な知識も必要とされていますが、誰でも手軽に回答精度を向上させられるような進化が求められています。

まとめ

FAQとチャットボット。両者ともにユーザーの疑問を解消するためのシステムであることは共通していますが、そのアプローチは大きく異なります。FAQの「調べる」に対し、チャットボットは「聞く」「会話する」。このユーザー体験の変容により、チャットボットには自然な形でのユーザー誘導、さらにはコンバージョン率のアップといった、マーケティングツールとしてのポテンシャルが期待されているのです。

コンバージョン率が上がるチャットボットqualva(クオルバ)

ぜひチェックしてください。